タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別
発表タイトル 強膜への直接浸潤をみた眼内悪性リンパ腫の1例
会議名 第68回臨床眼科学会Special Interest Group Meeting(SIG)第48回眼科臨床病理組織研究会
学会区分 全国規模の学会
発表者・共同発表者◎畔満喜, 高橋寛二, 松山加耶子, 四方伸明, 西村哲哉
発表年月日 2014/11
開催地
(都市, 国名)
神戸
概要 【緒言】眼内悪性リンパ腫は、眼・中枢神経系(CNS)に原発する場合と全身の悪性リンパ腫の転移の場合がある。臨床所見では、眼底に黄白色滲出斑が出現するものと硝子体混濁を呈するもの、両者の混在がある。網膜下の腫瘍細胞は網膜色素上皮とBruch膜の間に増殖し広がるが、強膜や眼窩に浸潤するものは稀である。今回、眼内悪性リンパ腫がぶどう膜、強膜、視神経、眼窩へ浸潤し、続発緑内障を生じ眼球摘出を行った症例を経験したので報告する。【症例】89歳女性。主訴:左眼痛。現病歴:1年前からの左眼霧視にて平成23年4月近医受診。左眼矯正視力0.2、硝子体混濁を指摘されるも通院を中断していた。平成25年4月に左眼視力低下を自覚し再診、視力は光覚弁に低下し、瞳孔に増殖膜様組織を認め眼底透見不能で、精査を予定されるも以後受診しなかった。7月24日、左眼眼痛にて再診。著明な眼瞼腫脹、結膜浮腫、充血を認め、眼内炎疑いで関西医科大学附属滝井病院に紹介された。左眼は光覚なく、眼圧36mmHg、著しい眼痛のため左眼眼球摘出術施行。病理組織検査でびまん性B細胞リンパ腫と診断された。腫瘍細胞は網膜下、虹彩、隅角、毛様体、視神経、強膜および強膜を貫通し眼窩に浸潤していた。全身検索で他臓器に病巣を認めなかった。【考察】本症例は、眼内悪性リンパ腫がCNS病変を合併せず長期に放置された結果、強膜へ浸潤し眼窩へ進展したと考えられた。