オオナカ マサユキ
OHNAKA MASAYUKI 大中 誠之 所属 関西医科大学 眼科学講座 職種 講師 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | シンポジウム:抗VEGF薬の現状と今後 |
会議名 | 第53回日本網膜硝子体学会総会/第31回日本眼循環学会合同学会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表者・共同発表者 | ◎大中誠之 |
発表年月日 | 2014/11 |
開催地 (都市, 国名) |
大阪 |
概要 | 本邦で認可されている抗血管内皮増殖因子薬(抗VEGF薬)は、ペガプタニブ、ラニビズマブ、アフリベルセプトの3剤であり、多数の大規模臨床試験により加齢黄斑変性(AMD)などの適応疾患において良好な成績が報告されている。しかし、抗VEGF薬により改善された視機能を維持するためには、継続的に頻回の硝子体内投与を必要とすることが多く、眼局所・全身合併症のリスク、患者の経済的負担など問題点も多い。現在AMDにおいては、抗VEGF薬の投与回数を最小限に抑えつつ、毎月投与に劣らない効果を期待して、必要時投与(PRN)から欧米で主流となっているTreat and Extend へ移行してきている。しかし、現状では多くの患者で継続的に抗VEGF薬が必要で、正常組織への影響も考慮しなければ、治療により視機能が悪化するという事態を招きかねない。実際にAMDでは抗VEGF療法の長期経過において地図状萎縮の拡大を認めており、投薬の影響も否定できない。抗VEGF薬単独で治癒を目指すのであれば、正常組織に影響を与えずに長期間効果が持続するような創薬デザインが必要であり、ドラッグデリバリーシステムの開発が期待される。現状では抗VEGF薬が血管新生に対して最良の治療薬ではあるが、視機能の回復という点ではまだ不十分で、今後は他の薬剤との併用により新たな段階へ進むことが期待される。本講演では、AMDを中心に抗VEGF薬の現状と今後について、最近の臨床、研究結果を踏まえて述べたい。 |