タカハシ カンジ
TAKAHASHI KANJI 髙橋 寛二 所属 関西医科大学 眼科学講座 職種 非常勤講師 |
|
言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫に対するラニビズマブの6か月成績 |
会議名 | 第44回関西医科大学眼科同窓会 春の勉強会 |
発表者・共同発表者 | ◎尾辻剛, 小池直子, 西村哲哉, 髙橋寛二 |
発表年月日 | 2015/05 |
開催地 (都市, 国名) |
大阪 |
概要 | 【目的】網膜静脈閉塞症(RVO)に伴う黄斑浮腫(ME)に対するラニビズマブ硝子体内投与(IVR)の6か月成績を検討した。
【対象と方法】対象は2013年9月から2014年4月までに当科にてRVOに伴うMEと診断されIVRを施行した症例のうち初回IVR後6か月以上経過観察できた45例45眼。男性18眼、女性27眼。平均年齢は72.3歳。網膜中心静脈閉塞症(CRVO)14眼、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)31眼であった。IVRの追加投与は滲出の悪化時に行った。IVR前と6か月後の視力変化、中心窩網膜厚(CRT)の変化について検討した。 【結果】IVR前の小数換算平均視力は0.24で、IVR後6か月では0.31と有意に改善していた(p<0.01)。logMAR視力で0.3以上の視力改善を認めたものは9眼、不変が35眼、悪化が1眼であった。またCRTは、IVR前が平均553μm、IVR6か月後が平均304μmと有意に減少していた(p<0.01)。6か月後に滲出が消失していたものは19眼(42%)であった。初回投与後1か月の時点で滲出が残存していたものが23眼あったが、そのうち9眼では追加投与により滲出が消失した。6か月までの平均投与回数は2.5回であった。発症から初回投与までの期間と治療前後の視力変化やCRT変化に相関はなかった。治療歴の有無で視力改善度に有意差はなかったが、硝子体手術歴だけで検討すると、硝子体手術歴のある症例はない症例に比べて有意に投与後視力改善が得られにくかった。 【結論】RVOに伴うMEに対するIVRは投与後6か月では視力改善、滲出性変化の改善に有効であったものの、厳格な必要時投与を行わないと毎月投与には及ばない。 |