タカハシ カンジ
TAKAHASHI KANJI 髙橋 寛二 所属 関西医科大学 眼科学講座 職種 非常勤講師 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 滲出型AMDに対するアフリベルセプト硝子体内投与中に生じた網膜色素上皮裂孔例の検討 |
会議名 | 第54回日本網膜硝子体学会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表者・共同発表者 | ◎大中誠之, 永井由巳, 三木克朗, 木村元貴, 千原智之, 髙橋寛二 |
発表年月日 | 2015/12 |
開催地 (都市, 国名) |
東京 |
概要 | 【目的】滲出型加齢黄斑変性(AMD)に対する血管内皮増殖因子阻害療法後に網膜色素上皮裂孔(RPE tear)を生じることがある。今回、滲出型AMDに対するアフリベルセプト硝子体内投与(IVA)後にRPE tearを生じた症例を5例経験したので報告する。
【方法】対象は関西医科大学附属枚方病院で平成25年1月から平成27年7月の間に網膜色素上皮剥離(PED)を伴う滲出型AMDに対してIVAを行った132例142眼のうちRPE tearを生じた5例5眼である。 【結果】男性4例、女性1例で、年齢は71歳から84歳であった。病型は典型AMDが3眼、網膜血管腫状増殖が2眼で、IVA以外の治療歴はなかった。RPE tear発生までのIVA回数は1回が2眼、2回が1眼、3回が2眼で、すべてが導入期治療中であった。RPE tear発生までの期間は初回IVA後1か月から4か月(平均2.3か月)であった。初回IVA前のPEDの大きさは長径3620μmから7518μm(平均5554.8μm)で、光干渉断層計による高さは645μmから1291μm(平均864.2μm)であった。RPE tearはすべて新生血管の対側に生じ、中心窩まで及んだ症例は3眼で、矯正視力はそれぞれRPE tear発生前後で0.1から0.1、0.1から0.03、0.7から0.2と1例を除き急激な視力低下を認めたが、不変であった症例も1年後には0.04と視力不良となった。 【結論】PEDを伴う滲出型AMDに対するIVAによるRPE tearの発生率は3.5%と高くはないが、RPE tearが中心窩に及べば視力予後は極めて不良であり今後も注意が必要である。 |