タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル アフリベルセプト投与中に黄斑円孔を生じたポリープ状脈絡膜血管症の1例
A case of maculアフリベルセプト投与中に黄斑円孔を生じたポリープ状脈絡膜血管症の1例
A case of macular hole in PCV treated with aflibercept
IVA中に黄斑円孔を生じたPCV症例
会議名 第69回日本臨床眼科学会
学会区分 全国規模の学会
発表者・共同発表者◎大中誠之, 大池慶子, 中内正志, 永井由巳, 髙橋寛二
発表年月日 2015/10
開催地
(都市, 国名)
名古屋
概要 【緒言】
 ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)に対してアフリベルセプト硝子体内投与(IVA)を行っている過程で黄斑円孔を生じた症例を経験したので報告する。
【症例】
 症例は72歳女性。左眼の視力低下で平成25年1月に紹介受診した。初診時左眼矯正視力は0.7で黄斑部には漿液性網膜剥離、橙赤色隆起病巣を認め、蛍光眼底造影、光干渉断層計(OCT)での精査の結果PCVと診断した。IVAを2回行い滲出は抑制され、視力も1.0まで回復したが、7か月後に再燃したためIVAを2回追加したところ滲出は抑制された。その後、3か月毎の計画的投与に切り替え、滲出の再燃なく安定していたが、2回目の計画的投与予定日(初回投与から24か月後、通算6回目投与)の視力は0.2と低下しており、Gass分類stage3の黄斑円孔を認めた。左眼白内障手術併用硝子体手術を行い、黄斑円孔は閉鎖し、術後1か月の視力は0.3であった。
【考察】
 本症例は、初診時から中心窩に硝子体牽引を認めた状態をOCTで確認しており、IVA5回目の際には中心窩網膜に軽度の弁状の牽引を認めた。合計5回のIVAの結果、硝子体の牽引や変性を促進して黄斑部の硝子体牽引が増強し、黄斑円孔を形成したものと思われた。
【結論】
 黄斑部に硝子体牽引を認める症例への硝子体内注射では、PCVを含む加齢黄斑変性の滲出抑制効果の観察はもとより、硝子体牽引の増強による黄斑円孔の発生にも注意が必要である。