ナカムラ トモユキ   NAKAMURA T.
  中邨 智之
   所属   関西医科大学  薬理学講座
   職種   教授
言語種別 日本語
発表タイトル LTBP-2遺伝子欠損マウスは水晶体脱臼と高眼圧を呈する
会議名 第120回日本眼科学会総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎吉田 秀之, 井上唯史, 藤川雄介, 大谷ひとみ, 赤間智也, 中邨智之
発表年月日 2016/04
開催地
(都市, 国名)
仙台, 日本
概要 【目的】
最近ヒトLTBP-2遺伝子欠損患者に先天性緑内障および水晶体脱臼がおこることが相次いで報告され、LTBP-2の眼球における機能が注目されているが未だに不明な点が多い。
LTBP-2のミクロフィブリル形成における役割を解析し、毛様小帯形成不全との関係、さらに水晶体脱臼や緑内障との関係を検討する。

【対象と方法】
Ltbp2ノックアウトマウスを作成し毛様小帯における表現型を共焦点レーザー顕微鏡や電子顕微鏡を用いて解析した。
またカニュレーションを用いて経角膜的にLtbp2ノックアウトマウスの眼圧測定を行った。

【結果】
Ltbp2ノックアウトマウスにおいて免疫染色による共焦点レーザー顕微鏡解析で毛様小帯形成不全を認め、HE染色では水晶体脱臼が認められた。電子顕微鏡では毛様小帯を形成するミクロフィブリルの線維束形成を認めなかった。また生後1年のLtbp2ノックアウトマウスは野生型と比較して眼圧が51.8%(P<0.05)上昇していた。

【結論】
LTBP-2が毛様小帯のミクロフィブリル形成に重要な役割を担っており、その欠損は毛様小帯形成不全を引き起こして水晶体脱臼を発症することが分った。またLtbp2ノックアウトマウスの眼圧が上昇することから高眼圧症との関連が示唆された。毛様小帯形成におけるLTBPファミリータンパク質の役割と水晶体脱臼、緑内障との関係が明らかになった場合、原因が不明であった開放隅角緑内障の発症機序の解明と、その治療に役立つことが期待できる。