タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル 眼科受診で発見された褐色細胞腫の一例
会議名 第414回大阪眼科集談会
学会区分 定期開催セミナー
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎杉本八寿子, 山田晴彦, 髙橋寛二
発表年月日 2016/09
開催地
(都市, 国名)
大阪
概要 【緒言】両眼視力障害を初発症状とし、高血圧性網膜症から発見された褐色細胞腫の1例
【症例】49歳女性。平成23年8月中旬からの両眼の視力低下を主訴に受診した。
初診時、矯正視力は右眼0.9左眼0.5で、両眼眼底に多発する硬性白斑、小線状網膜出血、黄班部漿液性網膜剥離、黄斑浮腫を認めた。細動脈血柱反射亢進や交叉現象等の動脈硬化所見は乏しかった。血圧は212/13㎜Hg と無治療の高血圧を認めた。
精査の為、当院内科を紹介し降圧治療を開始した。糖尿病は認められなかった。9月14日に左褐色細胞腫破裂疑いにて当院内科に緊急入院となり、保存的治療により10月7日に退院となった。
内分泌内科での精査にて褐色細胞腫と診断され、平成24年2月21日に泌尿器外科にて腹腔鏡下左副腎摘除術を施行された。
内科紹介後、降圧治療により、速やかに血圧は正常範囲内に改善し、眼底所見、視力ともに改善を認め、平成24年12月19日には矯正視力は右眼1.5左眼1.0と視力障害を残さず改善し、眼底所見も完全に消失した。
【考察】
高血圧性網膜症から、褐色細胞腫が発見された1症例を経験した。
二次性高血圧は速やかな降圧治療にて、視力障害も残さず殆ど完治することが多い。
褐色細胞腫は20歳代から50歳代まで二次性高血圧の約80%を占める為、本腫瘍の存在を考慮する必要がある。