タカハシ カンジ   TAKAHASHI KANJI
  髙橋 寛二
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル 抗VEGF薬のスイッチバックが有効であった滲出型加齢黄斑変性の2例
会議名 第55回網膜硝子体学会総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎境友起夫, 尾辻剛, 津村晶子, 小池直子, 三木克朗, 山田章悟, 西村哲哉, 髙橋寛二
発表年月日 2016/12
開催地
(都市, 国名)
東京
概要 目的
滲出型加齢黄斑変性(AMD)に対して繰り返し抗VEGF薬を投与していると効果が減弱してくる症例があり、他の抗VEGF薬にスイッチすると効果がみられることが多いが、スイッチした薬剤にも効果がみられなくなる場合がある。このような症例に元の薬剤に戻すこと(スイッチバック)により再び効果がみられたとの報告がある。我々はスイッチバックが有効であった症例を経験した。
症例
症例1は76歳男性。右眼に典型AMDを認め、ラニビズマブの硝子体内投与(IVR)を毎月3回施行後、必要時投与(PRN)を行っていたが次第に効果が減弱し、7回投与後にアフリベルセプトの硝子体内投与(IVA)にスイッチした。スイッチ後は効果がみられたが、毎月投与しても滲出が残存するようになり、計9回の投与後にIVRにスイッチバックしたところ滲出は停止した。症例2は67歳男性。右眼の典型AMDにてIVRをPRNで行っていたが、次第に投与間隔が短くなり、11回投与後にIVAにスイッチした。IVAも次第に効果が減弱したため16回投与後にIVRにスイッチバックし2回行い、その後再度IVAにスイッチバックしたところ1回の投与で少なくとも半年間滲出は停止している。
結論
スイッチバックが効果を示すメカニズムについては明らかにはされていないが、いわゆるタキフィラキシーの症例では一時休薬し再開することで再び効果が戻る場合があるとされており、休薬のかわりに他の薬剤を投与するスイッチバックも同様に効果を示すことがあると思われる。休薬の間に病状が悪化する可能性もあるので、休薬期間のないスイッチバックは効果の減弱した症例において有効な手段となりうる。