コンドウ タカユキ
KONDOU TAKAYUKI 近藤 誉之 所属 関西医科大学 神経内科学講座 職種 診療教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 改訂版自己免疫性てんかん診断アルゴリズムの有用性の向上:免疫組織染色等の検証 |
会議名 | 第60回日本神経学会学術大会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎坂本光弘, 松本理器, 十川純平, 武山博文, 端祐一郎, 小林勝哉, 下竹昭寛, Frank Leypoldt, Klaus-peter Wandinger, 近藤誉之, 髙橋良輔, 池田昭夫 |
発表年月日 | 2019/05/24 |
開催地 (都市, 国名) |
大阪 |
概要 | 【目的】自己免疫性てんかんは免疫療法により治療可能な病態であり、その迅速な診断は重要であるが、その最も確実な診断手法である抗神経抗体の測定は困難なことが多い。そこで我々は抗神経抗体の測定無しに自己免疫性てんかんの診断が可能な診断アルゴリズムを提唱した(坂本ら, 臨床神経学, 2018)。今回このアルゴリズムの臨床上の有用性を、免疫組織染色による抗神経抗体測定の結果を用いて再検討し、さらに改訂版アルゴリズムを提唱する。【方法】てんかん発作及びその疑いで当院脳神経内科外来を受診し、関連する診療情報からてんかん専門医が自己免疫性てんかんを疑った患者のうち、ラット脳免疫組織染色及び自己免疫性てんかん/辺縁系脳炎に関連する17種の抗神経抗体をcell based assay(CBA)により測定し得た61例を対象とし、我々の提唱するアルゴリズムを適応した。アルゴリズムは病歴・臨床症状と各種検査所見(Toledano et al.)からなり、改訂版として発作周辺期の自律神経症状と両側性のてんかん性放電の有無について追加検討した。アルゴリズムは異常検査項目の数などから6つのカテゴリーに分類でき、各カテゴリーと抗神経抗体の有無について検討した。【結果】免疫組織染色は61例中15例で陽性であり、このうち既知の抗神経抗体に対するCBAは11例(抗LGI1抗体6例、抗GAD抗体4例、抗NMDA受容体抗体1例)で陽性であった。検査所見の異常項目数に関してROC曲線からcut off値を検討したところ、「2つ以上の検査所見の異常」で抗神経抗体陽性と最も相関がみられた。改訂前の診断アルゴリズムでは感度66.7%、特異度80.4%であり、改訂版アルゴリズムでは感度80%、特異度76.1%であった。【結論】適切なカットオフ値を用い、提唱したアルゴリズムが抗神経抗体の存在を予見できる可能性が示された。改訂版アルゴリズムがより感度が高く実臨床に役立つと考えられる。今後はより多数例での前向きな検討が求められる。 |