ヤクシジ ユウスケ
YAKUSHIJI YUSUKE 藥師寺 祐介 所属 関西医科大学 神経内科学講座 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 脳卒中・認知症における血管の危険因子とその重み |
会議名 | 第45回日本脳卒中学会学術集会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 特別講演・招待講演など |
発表者・共同発表者 | ◎藥師寺祐介, 星野有紀, 飯田鉱太郎, 吉川正章, 原 英夫 |
発表年月日 | 2020/08/25 |
開催地 (都市, 国名) |
Web |
概要 | 認知症治療において,我々は未だ4種の承認薬しか持ち得ていない.この理由の一つとしては, 主要疾患であるアルツハイマー型認知症でさえ,関連する神経細胞死の根本的な原因とメカニ ズムが分かっていないことにある.このような中,認知症の予防・治療戦略の一つとして,「A man is as old as his arteries」の観点に基づいた,血管側のマネージメントの重要性が再認識さ れてきた.すなわち,現時点では,神経細胞へのエネルギー供給源としての血管を保護するこ とが認知症対策の鍵となっている.認知症の修正可能なリスクファクターとして,生活習慣病
(中年期高血圧,糖尿病,喫煙,運動不足,中年期肥満)が挙げられるが,これらは脳卒中リス クと共通している.生活習慣病は各々の疾患に独立して作用しているのではない.例えば,遅発 性アルツハイマー型認知症では,血管リスクにより誘導される血管不全が,神経変性を促進し ていく.また,血管リスクによる脳卒中発症は認知症発症率を2倍にする.このように血管リス クとしての生活習慣病は両疾患の一元的な要因となっているが,研究領域では脳卒中と認知症 を独立した疾患として扱われることがほとんどで,リスクと疾患との関連を同じ土俵で解析し た研究は少ない.本課題では,本邦の代表的な疫学研究の個別結果をもとに,「血管リスク因子 とその重みは共通しているか?」の問いに答えたい.また,2018年に脳卒中・認知症を予防する健 康長寿を目指す「ベルリン マニフェスト」がWorld Stroke Organizationから掲げられた.このマ ニフェストでは将来の認知症予防のために我々脳卒中医が起こすべきアクションを提示されて おり,本セッションに欠かせない内容である. |