ヤマグチ タカシ   YAMAGUCHI TAKASHI
  山口 隆志
   所属   関西医科大学  内科学第三講座
   職種   講師
言語種別 日本語
発表タイトル C型非代償性肝硬変患者に対するソホスブビル+ベルパタスビル療法のSVR後の肝予備能,予後規定因子の検討
会議名 第109回日本消化器病学会総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎青井一憲, 吉田勝紀, 山口隆志, 山敷宣代, 村田美樹, 山科雅央, 諏訪兼彦, 島谷昌明, 關壽人, 長沼誠
発表年月日 2023/04/07
国名 日本
開催地
(都市, 国名)
長崎県長崎市(出島メッセ長崎)
開催期間 2023/04/06~2023/04/08
学会抄録 第109回 日本消化器病学会総会 プログラム・抄録集 A310
概要 【目的】C型非代償性肝硬変患者におけるDAA治療前後での肝予備能の変化,治療後死亡症例のリスク因子の検討を行った.【対象と方法】C型非代償性肝硬変に対しSOF/VEL投与を終了した17例.患者背景は年齢中央値66(53-90)歳,男性/女性 8/9.Genotype1b/2a/2b 15/1/1例,HCV-RNA 5.5(4.3-6.7)LogIU/mL,肝癌治療歴 無/有:8/11,Child-pugh score8(CPscore)(7-11),ALBIscore -1.63(-0.9--2.25).Fib4index11.48(3.92-28.9).好中球/リンパ球比(NLR)2.8(0.3-5.0).CPscore,ALBIscore,FIB4index,NLRの変化をDAA治療前とSVR24時点DAA治療後発癌症例と非発癌症例,DAA治療後死亡例と生存例で比較し,治療による肝予備能の変化を評価した.また,予後規定因子の検討を行った.【結果】全症例でSVRが得られた.治療後8例でHCC発症があり.治療後6例が死亡(5例が肝不全,1例が他疾患).治療前/SVR24でCPscore 8.1/7.1(P=0.04)有意に低下.ALBIscore -1.60/-1.77(P=0.4),FIB4index 11.3/7.9(P=0.06),NLR2.7/2.6(P=0.83)と有意差は認められず.CPscoreは治療後発癌/非発癌の比較で 治療前7.9/8.2(P=0.74),SVR24 6.6/7.4(P=0.63),生存/死亡 治療前8.1/8(P=0.85),SVR24 6.5/8.2(P=0.04).ALBIscoreは治療後発癌/非発癌の比較で治療前-1.73/-1.53(P=0.41),SVR24 -1.91/-1.64(P=0.41),生存/死亡 治療前-1.56/-1.73(P=0.53),SVR24 -2.06/-1.66(P=0.009).FIB4indexは治療後発癌/非発癌の比較で治療前13.9/9.3(P=0.16),SVR24 9.3/6.7(P=0.12),生存/死亡 治療前11.6/10.9(P=0.83),SVR24 8.4/7.1(P=0.46)と有意差は認めなかった.NLR治療後発癌/非発癌 治療前2.8/2.3(P=0.49),SVR24 2.5/2.7(P=0.48),生存/死亡 治療前2.1/3.9(P=0.007),SVR24 1.9/3.9(P=0.04)【結語】治療前後でCP score改善を認めたが,NLRの低下は認められなかった.死亡例ではSVR24時点でCP score,ALBIscoreの改善を認めなかった.死亡例では治療前より有意にNLRが高値であり,SVR24の時点でもNLRが高値であった.以上よりC型非代償性肝硬変に対するDAA治療は肝予備能を改善するが,NLRはDAA治療でも低下せずNLR高値はウイルス排除後にも肝不全へと進行する予後不良因子であると推測された.