ナガヌマ マコト
NAGANUMA MAKOTO 長沼 誠 所属 関西医科大学 内科学第三講座 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 表内視鏡下生検を用いたディスペプシア患者の胃粘膜細菌叢解析~ピロリ陰性ディスペプシア患者における症状サブタイプとの関連~ |
会議名 | 第107回 日本消化器内視鏡学会総会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | シンポジウム・ワークショップ パネル(公募) |
発表者・共同発表者 | ◎田原智満, 四十万谷卓也,長沼誠 |
発表年月日 | 2024/06/01 |
国名 | 日本 |
開催地 (都市, 国名) |
東京 グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール |
開催期間 | 2024/05/30~2024/06/01 |
学会抄録 | ウェブ |
概要 | 背景・目的:機能性ディスペプシア(FD)における腸脳相関や腸内細菌叢異常の重要性が提唱され、さらには胃・十二指腸局所の粘膜内細菌叢の変化の病態への関わりが注目されている。今回我々は、ディスペプシア患者の内視鏡下胃粘膜生検材料由来のDNAをターゲットにした細菌叢解析を行い、FD患者の症状サブタイプとの関連につき検討した。
対象・方法:ピロリ菌感染による影響を排除する目的で、ピロリ陰性FD患者46名、無症状ピロリ陰性例38名を対象とした。胃前庭部大彎の内視鏡下生検を採取しゲノムDNAを抽出、16SrRNA遺伝子のV3-V4領域をアンプリコンシーケンスにより解析した。 結果:菌の多様性指数であるα多様性は無症状と比較しFD患者ではRome Ⅳサブタイプを含め有意な変化は認めなかったが、FD患者ではSlackia属の上昇、Elizabethkingia属、F16科の低下が認められた。Rome Ⅳサブタイプでは、P<0.1の変化を認めた属レベルの主成分分析により、Epigastric pain syndrome(EPS)、Postprandial distress syndrome(PDS)ともに、無症状と比較的明瞭に区別されたが、両者は全く異なる分布を示し、EPSでは前述3種類の変化に加えPropionibacterium属の低下を認めたのに対し、PDSではRhodobacteraceae属、Neisseriaceae科の上昇とPorphyromonas属、Lachnospiraceae科の低下が特徴的であり、EPS/PDS群において有意な変化率を認めた菌のオーバーラップは認められなかった。 結語:ピロリ陰性者におけるFD患者の胃粘膜生検由来の細菌叢はRome Ⅳの異なるサブタイプに特徴的な菌の変化を認め、病態を理解する糸口となるかもしれない。一方、菌の多様性は、健常者と比較し大きな変化は認めず、FD患者の胃粘膜局所における比較的軽微な菌叢の変化の意義については更なる評価が必要である。 |