イトウ タカシ
ITOU TAKASHI 伊藤 嵩志 所属 関西医科大学 内科学第三講座 職種 助教 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 当院におけるIPMN長期経過観察例の現状 |
会議名 | 第107回 日本消化器内視鏡学会総会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | ポスター掲示 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎高折綾香, 池浦司, 池田正俊, 丸尾基展, 伊藤嵩志, 中丸洸, 桝田昌隆, 中山新士, 長沼誠 |
発表年月日 | 2024/06/01 |
国名 | 日本 |
開催地 (都市, 国名) |
東京 グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール |
開催期間 | 2024/05/30~2024/06/01 |
学会抄録 | ウェブ |
概要 | 【背景/目的】IPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)は悪性化(IPMC:浸潤性膵管内乳頭粘液癌)や併存膵癌のリスクがあり、定期的なサーベイランスが行われる。多くのIPMNはIPMCや併存膵癌を発症することなく経過するが、サーベイランスの対象や期間などに明確な基準がない現状である。当院でIPMNに対し5年以上経過観察した症例を対象に検討した結果を報告する。
【方法】2012年から2018年に当院で超音波内視鏡検査(EUS)でIPMNと診断された657例のうち、10mm以上で60ヶ月以上経過観察がなされた201例を対象とし ①観察時 ②観察開始60ヶ月 ③最終受診時 のIPMNの形態やhigh-risk stigmata(HRS)/worrisome features(WF)の有無を確認した。WFの出現/嚢胞径の増大/主膵管拡張を認める症例をIPMN増悪として、IPMCや併存膵癌の発生につき検討した。 【結果】201例のうち男性94名(46.8%)、年齢の中央値は69歳、全観察期間の中央値は86ヶ月であった。観察開始時の最大嚢胞径の中央値は39.2mm、HRS0例/WF33例(16.4%)であった。全例造影CTまたはMRCPで3ヶ月〜1年毎に定期フォローされており、157例(78.1%)はフォローアップ目的のEUSも施行されていた。IPMNの増悪は、60ヶ月時点で22.4%、61ヶ月以降は1.9%であった。60ヶ月時点でIPMNが増悪していた群よりIPMC 1例(Stage0)/併存膵癌1例(Stage1A)を発症し、非増悪群より発症率は高かった(p=0.06)。2例とも定期サーベイランス(MRCP/EUS)で早期診断され、術後再発なく経過している。 【考察】60ヶ月以上観察した症例からもIPMCや併存膵癌の発症が確認され、全例早期発見が可能であったことから、IPMNに対するサーベイランスは長期的にも必要であると考える。しかし、60ヶ月以降のサーベイランス法や間隔については、IPMN増悪の有無により考慮しても良いのではないかと考えられた。 |