イトウ タカシ
ITOU TAKASHI 伊藤 嵩志 所属 関西医科大学 内科学第三講座 職種 助教 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 切除不能(UR)膵癌に対する金属ステントに関する単施設後ろ向き検討 |
会議名 | 第107回 日本消化器内視鏡学会総会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | ポスター掲示 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎池田正俊, 池浦司, 高折綾香, 丸尾基展, 伊藤嵩志, 中丸洸, 桝田昌隆, 中山新士, 島谷昌明, 高岡亮, 長沼誠 |
発表年月日 | 2024/06/01 |
国名 | 日本 |
開催地 (都市, 国名) |
東京 グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール |
開催期間 | 2024/05/30~2024/06/01 |
学会抄録 | ウェブ |
概要 | 【背景】切除不能膵癌(UR膵癌)による閉塞性黄疸に対して胆管メタリックステント(MS)を留置する際、本邦の膵癌ガイドライン2022ではtumor ingrowthが予防できるcovered MSを用いることが提案されている。しかし、UR膵癌に対する化学療法は進歩し、切除不能といえども長期生存症例を経験する現代において、あらためてcovered MSとuncovered MSの比較が必要と思われる。【方法】2015年1月から2021年12月までに当院で経験した閉塞性黄疸を伴うUR膵癌症例に対し、MS留置後に化学療法を行った90症例(検討①)とMS留置後に緩和治療となった59症例(検討②)のrecurrent biliary obstruction(RBO)について検討した。【結果】検討①:covered MS群(65例)、uncovered MS群(25例)の比較では年齢、性別、切除可能分類(UR-LA/UR-M)、膵癌腫瘍径、CA19-9に有意差はみられなかった。MS留置後のRBOの発生率はcovered MS群43%(28/65)、uncovered MS群8.0%(2/25)とcovered MS群で高く、covered MS群でのRBOとなった主な理由はステントの逸脱(10例、36%)であった。コックス・ハザード比例モデルによりRBOに関連する因子について解析したところcovered MSがリスク因子として同定された(p=0.0013)。covered MS群ではuncovered MS群に比べRBOを来すまでの期間が有意に短かった(ログランク検定p=0.0026)。検討②:covered MS群(39例)、uncovered MS群(20例)の比較では年齢、性別、切除可能分類(UR-LA/UR-M)、膵癌腫瘍径、CA19-9に有意差はみられなかった。ステント留置によるRBOの発生率はcovered MS群15%(6/39)、uncovered MS群20%(4/20)(p=0.545)と両群間に有意な差はなく、RBOをきたすまでの期間においても同程度であった(ログランク検定p=0.829)。【結論】閉塞性黄疸を伴う切除不能膵癌に対し化学療法を行う場合はuncovered MSを選択することで長期の開存期間が期待できる。緩和医療となる場合はカバーの有無はRBOの発生に関連はなかった。 |