イトウ タカシ
ITOU TAKASHI 伊藤 嵩志 所属 関西医科大学 内科学第三講座 職種 助教 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 膵癌診断における新規FNB針Multi Blade Three Prong Tipの有用性に関する単施設研究 |
会議名 | 第107回 日本消化器内視鏡学会総会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | ポスター掲示 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎中山新士, 丸尾基展, 池田正俊, 高折綾香, 桝田昌隆, 伊藤嵩志, 中丸洸, 池浦司, 高岡亮, 長沼誠 |
発表年月日 | 2024/06/01 |
国名 | 日本 |
開催地 (都市, 国名) |
東京 グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール |
開催期間 | 2024/05/30~2024/06/01 |
学会抄録 | ウェブ |
概要 | 【背景と目的】膵癌における遺伝子解析に基づいたgenome matched therapyの重要性が高まっており、EUS-guided tissue acquisition(EUS-TA)では遺伝子パネル検査(CGP)に耐えうる検体採取が求められる.最近新規のFNB針 Multi Blade Three Prong Tip(MT)針が登場し、その有用性が期待されるが未だ検証されていない.そこで、MT針の組織学的診断能,腫瘍採取評価・安全性について従来のFNB針であるFolk-tip(FT)針、Franseen(FS)針と比較することによって検討した。【方法】2022年11月-2023年5月までにEUS-FNAを行った膵管癌52例を対象。穿刺針の種類でMT22G群(MT群)n=8、FT22G群(FT群)n=27、FS22G群(FS群)n=17に分け、年齢、性別、腫瘍径、占拠部位、穿刺部位、穿刺回数、偶発症、細胞診感度、組織診断可能率、2回目の穿刺での組織採取された腫瘍面積を後方視的に比較検討した。当院では1回目穿刺で細胞診、2回目穿刺で組織診に提出し、ROSEでの判定をもとに術者の判断で穿刺を終了。腫瘍面積測定はバーチャルスライド上で回収された検体の面積と腫瘍細胞が存在する面積を算出した。【結果】検討1;MT群は8例、FT群は27例。年齢中央値は両群とも75歳、性別は男性でMT群4例、FT群14例、腫瘍径の中央値はMT群20.6㎜、 FT群30㎜と有意差は認めなかった。占拠部位は頭部でMT群3例、FT群9例、穿刺部位は経胃で、MT群5例、FT群18例、穿刺回数の中央値では両群とも3回と有意差を認めなかった。偶発症はFT群で術中出血が1例のみ。細胞診の感度はMT群75%、FT群85.2%、組織診断可能率はMT群62.5%、FT群55.6%と有意差なく、腫瘍面積の中央値(㎜2)はMT群4.88、FT群1.34と有意差を認めた(P=0.040)。検討2;MT群は8例、FS群は17例。年齢中央値は両群とも75歳、性別は男性でMT群4例、FS群7例、腫瘍径の中央値はMT群20.6mm 、FS群24mmと有意差は認めなかった。占拠部位は頭部でMT群3例、FS群6例、穿刺部位は経胃でMT群5例、FS群11例、穿刺回数の中央値ではMT群3回、FS群2回と有意差を認めなかった。偶発症はFS群の術中出血1例のみ。細胞診の感度はMT群75%、FS群88.2%、組織診断可能率はMT群62.5%、FS群62.5%、腫瘍面積の中央値(㎜2)はMT群4.88、FS群2.54と有意差を認めなかった(P=0.245)。【結語】MT群は、FT群・FS群に比較して病理学的診断能や偶発症には有意差を認めなかった。腫瘍面積測定ではMT群はFT群に比して有意差を認め、FS群より多い傾向で有用性があると考えられた。 |