ナカガワ タツヤ   NAKAGAWA TATSUYA
  中川 達矢
   所属   関西医科大学  内科学第三講座
   職種   助教
言語種別 日本語
発表タイトル 早期胃癌に随伴したGastritis cystica profundaを内視鏡的粘膜下層剥離術にて一括切除し得た1例
会議名 第242回日本内科学会 近畿地方会
学会区分 地方会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎吉本 夏樹,松本 浩尚,高山 拓也,中川 達矢,折野 匡洋,齊藤 夏子,堀谷 俊介,武尾 真宏,山階 武,島谷 昌明
発表年月日 2023/12/09
開催地
(都市, 国名)
大阪 千里ライフサイエンスセンター・ウェブ
概要 【症例】83歳、男性【現病歴】上部内視鏡検査にて胃体下部大弯側に粘膜下隆起を伴う早期胃癌を認めた。またEUSにて早期胃癌の直下に第3層由来の嚢胞性病変を認め、今回ESD施行目的にて入院となった。【経過】粘膜下層を剥離すると白色調の粘膜下腫瘍を認めた。粘膜下腫瘍を損傷しないように剥離を進め腫瘍を露出させ、また筋層損傷に気を付けながら早期胃癌と粘膜下腫瘍を一括切除できた。病理組織検査で粘膜下腫瘍は嚢胞状拡張腺管を特徴とするGastritis cystica profunda(GCP)と診断した。癌細胞は粘膜層のみに認め、粘膜下層に存在したGCPへの明らかな進展は認めなかった。3か月後の上部内視鏡検査では治療後瘢痕を認めるのみであった。【考察】元来GCPは悪性疾患との関連は指摘されていなかった。しかし最近になり胃癌の前駆病変の可能性が示唆されている。さらに粘膜下層に存在するGCPへの癌の進展報告も認められ、GCPに沿った癌の進展は粘膜筋板を突破する必要がなく容易に深部浸潤しやすい可能性があることが懸念されている。そのため粘膜下隆起を伴った早期胃癌を発見した場合には直下にGCPが存在している可能性もあり術前のEUSは非常に重要だと考える。そしてESDを行い、一括切除することは播種・遺残を避けることができ、患者への侵襲も少ない治療と考える。