オバタ シンペイ
OBATA SHIMPEI 小畠 慎平 所属 関西医科大学 内科学第三講座 職種 助教 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | ステロイド減量中に消化管症状が増悪したIgA血管炎の1例 |
会議名 | 第232回日本内科学会 近畿地方会 |
学会区分 | 地方会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎小畠 慎平,高橋 悠,山添 剛志,杉浦 美紗,中村 尚広,田中 敏宏,鈴木 亮,田原 智満,福井 寿朗,長沼 誠 |
発表年月日 | 2021/06/26 |
開催地 (都市, 国名) |
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概要 | 【症例】50歳代、女性【現病歴】下腿の皮疹・紫斑を主訴に近医皮膚科での生検でIgA血管炎と診断され、プレドニゾロン(PSL)20mgが開始となった。症状は改善したが、治療開始後1ヶ月のPSL斬減中に下腿の紫斑が増悪し、下痢・腹痛が再燃し当院紹介となった。腹部CT検査にて小腸・大腸の広範な壁肥厚を認めた。上部消化管内視鏡検査にて胃体下部及び十二指腸に斑状の多発発赤・多発びらんを認めた。下部消化管内視鏡検査では、回腸末端に十二指腸同様のびらんが多発し、全大腸にはびらんと共に陥凹を伴う微小な潰瘍を認めた。感染性腸炎の除外を行い、腹部症状と皮疹・十二指腸の組織学的検査にてIgA血管炎の再燃と診断した。PSL40mgへ増量し、蛋白尿や血尿、腎機能障害の出現は認めず、消化器症状も改善し、2週間で5mg程度の漸減・中止を図り、現在はPSL中止にて再燃を認めていない。【考察】IgA血管炎は予後良好であるが、10-20%に再燃が認められる。また、最も大きな予後因子は腎不全への移行であり、成人も腎炎の合併は高率で85%程度とされる。本症例では腎炎認めず、胃から大腸までの広範な消化管病変を認めた。【結語】PSL斬減中に増悪したIgA血管炎を経験した。IgA血管炎の胃や全大腸の病変をもつ症例は難治傾向との報告もあり、文献的考察も含めて報告する。 |