ナガヌマ マコト   NAGANUMA MAKOTO
  長沼 誠
   所属   関西医科大学  内科学第三講座
   職種   教授
言語種別 日本語
発表タイトル 臨床的寛解例におけるLRG測定による予後予測の有効性はクローン病と潰瘍性大腸炎で異なる
会議名 第111回日本消化器病学会総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 シンポジウム・ワークショップ パネル(公募)
発表者・共同発表者◎本澤 有介, 中村 尚広, 深田 憲将, 長沼 誠
発表年月日 2025/04/26
開催地
(都市, 国名)
東京 京王プラザホテル
開催期間 2025/04/24~2025/04/26
学会抄録 ウェブ
概要 【背景】Leucine-rich a2-glycoprotein(LRG)は潰瘍性大腸炎(UC),クローン病(CD)における非侵襲性な疾患活動性を評価するバイオマーカーとして開発され,内視鏡的重症度と密接に関連性が報告されているが,長期予後との関連は未だ不明である.そこで今回我々は臨床的寛解のUC,CD患者のLRG値と他のバイオマーカー値および長期予後との関連について検討した.
【方法】対象は2021年1月より2023年3月まで当院にて加療中の炎症性腸疾患患者295名(CD;101名,UC;194名).臨床的活動性評価についてはCDはpatient-reported outcome(PRO2)score,UCはpMayo scoreを使用し,LRG,血液バイオマーカー,免疫学的便潜血検査(FIT)との関連を検討した.また,臨床的寛解例(CD PRO2≤2,UC pMayo score≤2)において臨床的再燃に寄与する因子をLRGを含めて単変量・多変量解析にて検討した.さらにCDについては病変部位や病型はモントリオール分類で評価し,LRGとの関連についても解析を行った.
【結果】両疾患においてLRGは臨床活動性と相関しなかったが,他のバイオマーカーであるCRP(CD;r=0.78,UC;0.74)および血清Alb(r =-0.69,-0.53)と強く相関を認めた.再燃を予測する因子の検討ではUCにおいては血清アルブミン(p=0.02),FIT(p<0.01)が独立した因子であり,LRGとの関連は認められなかった(p=0.301).一方,CDではLRG(cut-off値13.8)のみが再燃に寄与する因子であった(p=0.02).また小腸型(L1),小腸大腸型(L3),非炎症型(B2+B3)においてそれぞれLRGが13.8未満の患者の方が13.8以上の患者より再燃率が有意に低いことも示された(それぞれp=0.02. p=0.01,p<0.01).
【結論】LRGは両疾患でバイオマーカー値と相関が認められた.一方LRGにおけるCRを予測する因子はCD患者とUC患者で異なっており,特に小腸病変,腸管狭窄,瘻孔を有するCDの予後を予測するのに有用であった.