セキ トシヒト   SEKI TOSHIHITO
  關 壽人
   所属   関西医科大学  内科学第三講座
   職種   嘱託
言語種別 日本語
発表タイトル 当院における初発肝細胞癌に対する経皮的マイクロ波凝固療法と経皮的ラジオ波焼灼療法の治療成績比較
会議名 第49回日本肝癌研究会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎井口 亮輔, 関 寿人, 池田 耕造, 川村 梨那子, 岡崎 和一
発表年月日 2013/07
開催地
(都市, 国名)
東京
概要 <緒言>経皮的マイクロ波凝固療法(PMCT)は、小型の肝細胞癌(HCC)に対して局所制御能の高い治療法として報告されたが、経皮的ラジオ波焼灼療法(PRFA)が承認されてからは、PRFAの方が1回の穿刺にてより広い壊死範囲を獲得できることから、現在では広く普及している。しかし、PMCTにはPRFAよりも短時間で壊死範囲を獲得できるという利点もある。そこで、最近10年間に当院で施行したPMCTとPRFAの治療成績を比較検討した。<対象と方法>2002年1月から2011年12月までに、当院で3cm、3個以下の初発HCC病変に対してPMCT単独またはPMCTとTACEを併用し治療した71症例、79結節(PMCT群)と、PRFA単独またはPRFAとTACEを併用し治療した101症例、108結節(PRFA群)を対象とした。治療は超音波誘導下に経皮的に穿刺し、PMCTは出力80Wで2分間凝固し、その後エコーで観察し、凝固範囲が不十分と判断した際には、さらに凝固を追加した。PRFAはCool-tip針を使用し、出力は最大、6〜12分間焼灼し、同様にエコーにて焼灼範囲が不十分と判断した場合は、追加の焼灼を行った。両群とも術後3,4日目にDynamic CTを撮像し、凝固範囲が不十分な場合は、後日再度治療を行った。TACEを先行した症例はPMCT群で71例中47例、PRFA群で101例中77例であった。<成績>対象病変の平均腫瘍径はPMCT群で16.0±4.8mm、PRFA群で21±5.2mm、1、3、5年の累積生存率は、PMCT群で96%、79%、60%、PRFA群で95%、70%、57%、局所再発率はPMCT群で2%、8%、12%、PRFA群で3%、13%、15%であった。またStageIの症例に限り検討したところ、累積生存率は、PMCT群で95%、81%、60%、PRFA群で94%、78%、67%、局所再発率はPMCT群で2%、8%、12%、PRFA群で2%、11%、11%と有意差はなかった。<考察>PRFA群と比べPMCT群において平均腫瘍径が小さいこともあるが、生存率、局所再発率に有意差は認められなかった。またStageIの症例であれば、PMCT群はPRFA群よりも短時間で同等の効果を得ることが出来た。<結語>PMCTは小型肝細胞癌に対して有効な治療法であり、今後も治療の選択肢のひとつとして挙げられる。