モリ ヒデツグ   MORI HIDETSUGU
  盛 秀嗣
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   講師
言語種別 日本語
発表タイトル 急激な血糖コントロールが要因と思われる両眼発症の網膜中心静脈閉塞症の1例
会議名 第49回日本網膜硝子体学会
学会区分 全国規模の学会
発表者・共同発表者◎盛秀嗣, 安藤彰, 松岡雅人, 南野桂三, 武田俊彦, 西村哲哉
発表年月日 2010/11
開催地
(都市, 国名)
大阪
概要 網膜硝子体学会

開催地:大阪
開催年月日:2010/11/26~28    

発表タイトル:
急激な血糖コントロールが要因と思われる両眼発症の網膜中心静脈閉塞症の1例

発表者:盛 秀嗣
共同演者:
【緒言】網膜中心静脈閉塞症(CRVO)の多くは片眼性であるが、両眼性は2~10%の割合で発症すると報告され稀である。急激な血糖コントロールを受け、その後両眼のCRVOを生じた1例を経験した。
【症例】47歳男性。10年前から糖尿病を指摘されるも放置していた。2010年1月から近医内科で経口血糖降下剤による治療を開始され、その後急激な血糖コントロールが行われた。(HbA1c 12.0%→7.0%と約4か月で5%の下降)4月に特に左眼の視力低下を自覚して近医眼科を受診、両眼の糖尿病網膜症とCRVOを指摘され当科を紹介された。初診時矯正視力は右眼0.8、左眼0.5、前眼部および中間透光体に異常はなく眼底全体に多数の点状出血、特に左眼に強い嚢胞様黄斑浮腫、左眼にのみ新生血管および静脈の拡張と蛇行を認めた(福田分類:右眼‐AⅡ、左眼‐BⅡ)。フルオレセイン蛍光眼底造影で軽度の無血管領域を認めるのみであり、両眼の糖尿病網膜症に非虚血型のCRVOが合併したと診断した。抗血小板剤の内服を処方し、さらに左眼視力が0.3と低下したため嚢胞様黄斑浮腫に対してトリアムシノロンのテノン嚢下注射を行った。最終視力は右眼矯正0.5と低下、左眼矯正0.6まで改善し、検眼鏡的に黄斑浮腫は改善していた。
【結論】両眼の糖尿病網膜症にCRVOを合併した一例を経験した。両眼のCRVOを引き起こした要因として急激な血糖コントロールが考えられた。