ミキ カツアキ   MIKI KATSUAKI
  三木 克朗
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   診療講師
言語種別 日本語
発表タイトル 慢性中心性漿液性脈絡網膜症の僚眼に生じたポリープ状脈絡膜血管症
会議名 第117回日本眼科学会総会
学会区分 全国規模の学会
発表者・共同発表者◎有澤章子, 永井由巳, 平本裕盛, 三木克朗, 大中誠之, 尾崎絢子, 高橋寛二
発表年月日 2013/04
開催地
(都市, 国名)
東京
概要 【目的】慢性中心性漿液性脈絡網膜症(慢性CSC) の僚眼に生じたポリー
プ状脈絡膜血管症(PCV) の臨床的特徴を検討した。
【対象と方法】関西医大枚方病院において慢性CSC と診断され、その
僚眼にPCV の所見を認めた6 例(男性5 例、女性1 例)。平均年齢は
61.2 歳で、CSC の既往歴は30 年以上1 例、15 年以上1 例、10 年以上
2 例、5 年以上1 例、不明1 例であった。通常の検眼鏡検査に加えてフ
ルオレセイン蛍光造影、インドシアニングリーン蛍光造影(IA)、光干
渉断層計(OCT)、眼底自発蛍光(FAF) で検討した。
【結果】慢性CSC 眼の5 眼にatrophic tract を含む網膜色素上皮(RPE)
の変性を認め、僚眼のPCV 眼にも4 眼でRPE 変性を認めた。IA では
慢性CSC 眼、PCV 眼ともに局所的に脈絡膜中大血管の拡張を認め、後
期には脈絡膜血管の透過性亢進を伴っていた。OCT による中心窩下平
均脈絡膜厚は、慢性CSC 眼411.3 ± 81.8 μ m、PCV 眼343.4 ± 106.7
μ m と脈絡膜の肥厚を認めた。EDI-OCT では、肥厚した脈絡膜内に太
い脈絡膜中大血管影がみられた。PCV 眼の4 眼には滲出性変化を認め
たので、ranibizumab 硝子体注射を施行した。導入療法のみで滲出が消
失した症例はなく、注射回数は4 回が3 眼、6 回が1 眼で、4 回施行し
た症例のうち1 眼は光線力学療法の追加を要した。
【結論】慢性CSC の僚眼にみられるPCV では、脈絡膜中大血管の拡
張や脈絡膜血管の透過性亢進、脈絡膜の肥厚を認めることから、慢性
CSC がPCV 発症の基盤になっていることが示唆された。