ミキ カツアキ   MIKI KATSUAKI
  三木 克朗
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   診療講師
言語種別 日本語
発表タイトル 網膜色素線条症における梨地状眼底のSD-OCTのよる観察
会議名 第119回日本眼科学会総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎盛秀嗣, 髙橋寛二, 千原智之, 大中誠之, 木村元貴, 三木克朗, 永井由巳
発表年月日 2015/04
開催地
(都市, 国名)
札幌
概要 【目的】網膜色素線条症(AS)の光干渉断層計(OCT)による観察では、感覚
網膜の菲薄化やouter retinal tubulation、ブルッフ膜の波打ち所見、脈絡膜新
生血管(CNV)を有する眼底での脈絡膜の菲薄化などが報告されているが、梨
地状眼底のOCT像は明らかにされていない。今回、我々は、梨地状眼底のOCT
像を明らかにするために、AS症例のOCT像を後ろ向きに調査した。
【対象と方法】2006年1月から2014年10月までに関西医科大学枚方病院でASと診断した37例74眼(男性22名、女性15名、平均年齢64歳)を調査対象とした。このうち、眼底写真にて梨地状眼底を伴うと判定された50眼について、SD-OCT(Heiderberg社Spectralis)によって梨地状を示した領域のスキャン画像を抽出し詳細に検討した。50眼中44眼(88%)にはCNVを伴っていた。
【結果】梨地状を示した領域において、梨地のもととなる点状病変はSD-OCTのIR像にてより明瞭に観察され、白色点状を示す場合と、黒色点状を示す場合があった。白色点状部は、OCT像ではRPEライン上の小結節状高反射として、また黒色点状部はEllipsoid zoneの局所的欠損部及び非薄化として観察された。梨地状眼底とCNVを合併するAS眼で、治療前に中心脈絡膜厚を測定できた9眼の脈絡膜厚の平均値は204.1±57.8μmと菲薄化を示した。
【結論】梨地状眼底の点状病変部には、reticular pseudodrusenのOCT像に類似するRPE上の高反射、Ellipsoid zoneの局所的欠損及び非薄化と中心脈絡膜厚の菲薄化が見られたことから、視細胞異常による網膜下ドルーゼン様沈着物類似の病態が存在する可能性が示唆された。