ミキ カツアキ   MIKI KATSUAKI
  三木 克朗
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   診療講師
言語種別 日本語
発表タイトル 小線源治療後に眼内出血から眼球摘出に至った脈絡膜悪性黒色腫と血管腫の重複腫瘍症例
会議名 第69回日本臨床眼科学会
学会区分 全国規模の学会
発表者・共同発表者◎佐々木麻衣子, 木村元貴, 三木克朗, 中内正志, 髙橋寛二
発表年月日 2015/10
開催地
(都市, 国名)
名古屋
概要 【緒言】放射線小線源治療後に腫瘍の再増殖から眼内出血を来し、眼球摘出に至った脈絡膜悪性黒色腫と血管腫の同一眼重複例を経験したので報告する。
【症例】59歳男性。2009年8月から左眼中心暗点と変視症を自覚し、同年10月19日紹介受診。左眼視神経乳頭上方に褐色の、黄斑耳下側に橙赤色の脈絡膜隆起性病変を認めた。蛍光眼底造影、光干渉断層計、超音波検査、MRIなどの画像診断所見から、乳頭上方の腫瘤は脈絡膜悪性黒色腫(MM)、黄斑耳下側の腫瘤は脈絡膜血管腫であり、それらの同一眼発症と診断した。MMは徐々に拡大するも、PET-CT検査にて全身転移はなく眼球温存療法を希望されたため、2010年5月から国立がん研究センター中央病院にて小線源治療を受けた。腫瘍は一旦退縮したが、約1年半後に急速に増大し、腫瘍から大量の眼内出血を生じた。出血性網膜全剥離により光覚が消失したため、2012年1月左眼球摘出術を施行した。病理診断では、MMは紡錘B型細胞が最も多い混合型で、腫瘍内大血管の破綻を認めた。血管腫は海綿状血管腫の組織像を示した。MMの眼球外進展は認めず、現在も全身転移なく経過している。
【考察と結論】MMと血管腫の同一眼重複例は国内外で報告がなく、非常に稀な症例であった。MMは腫瘍血管の拡張が見られ、小線源治療により影響を受けた可能性も考えられた。小線源治療で一旦退縮しても再増殖し眼球摘出に至る症例があるので、注意深く経過観察をする必要がある。