ミキ カツアキ   MIKI KATSUAKI
  三木 克朗
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   診療講師
言語種別 日本語
発表タイトル 脈絡膜菲薄化を伴うポリープ状脈絡膜血管症の臨床的特徴
会議名 第45回関西医科大学眼科同窓会 春の勉強会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎木村元貴, 永井由巳, 正健一郎, 三木克朗, 大中誠之, 千原智之, 髙橋寛二
発表年月日 2016/05
開催地
(都市, 国名)
大阪
概要 目的】
近年、ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)の脈絡膜肥厚が注目されている。一方、PCVには脈絡膜の菲薄化を示す症例もみられる。脈絡膜菲薄化を伴うPCVの臨床的特徴を調査した。

【対象と方法】
アフリベルセプト硝子体内投与(IVA)を施行したtreatment naïveのPCV症例のうち、光干渉断層計(OCT)で中心脈絡膜厚(CCT)177µm未満の脈絡膜菲薄化症例を抽出し、臨床的特徴について検討した。

【結果】
調査したPCV症例48眼中11眼(22.9%)にCCTの菲薄化を認めた(A群:平均CCT128.9µm)。菲薄化を認めなかった症例群(B群:304.9µm)を比較すると、平均年齢はA群75.9歳、B群67.7歳と有意差があった。A群の性別は男性10例、女性1例で、治療開始時平均logMAR視力、病巣最大径、ポリープ数にB群と有意差はなかった。大きなポリープ状病巣はA群11眼中6眼(54.5%)、B群37眼中11眼(29.7%)とA群に多くみられた。インドシアニングリーン蛍光造影(IA)における脈絡膜血管透過性亢進を示したのは11眼中1眼(9.1%)であった。IVA開始後12か月の検討では、両群ともにCRT(変化率: A群27.5%,B群39.9%)、CCT(変化率: A群14.6%,B群12.5%)は有意に改善し、B群では有意な視力改善を認めたが、A群は改善傾向に乏しかった。

【結論】
脈絡膜菲薄化を伴うPCV症例は高齢男性に多く、大きいポリープを持つ症例が多い。脈絡膜血管透過性亢進を持つ症例は少なく、IVAを行うと解剖学的には改善したが、視力改善は乏しかった。