シマ チエコ   SHIMA CHIEKO
  嶋 千絵子
   所属   関西医科大学  眼科学講座
   職種   講師
言語種別 日本語
発表タイトル 妊娠高血圧症候群で分娩後に両眼に漿液性網膜剥離を発症した1例
会議名 第49回日本網膜硝子体学会
学会区分 全国規模の学会
発表者・共同発表者◎大津弥生, 嶋千絵子, 武田信彦, 木本高志

発表年月日 2010/11
開催地
(都市, 国名)
大阪
概要 【緒言】妊娠高血圧症候群(PIH)に網膜剥離を合併することがある。今回我々はPIHで分娩後に両眼に漿液性網膜剥離を発症し、光干渉断層計(OCT)で経過を追えた1例を経験したので報告する。
【症例】36歳の女性、初産婦。妊娠33週より四肢の浮腫、尿蛋白出現。妊娠35週6日から四肢浮腫増強、尿蛋白顕著となり平成22年1月14日安静入院となった。胸水貯留を認め1月18日に帝王切開術施行。1月24日より右眼が黒く感じるとのことで1月25日当科初診となった。初診時視力両眼矯正(1.0)、両眼底に漿液性網膜剥離および右眼底に多発する黄白色斑がみられた。授乳を一時中止のうえ蛍光眼底造影を行い、両眼に多発する蛍光漏出を認めた。また、OCTでは両眼に漿液性網膜剥離および左眼にフィブリンと考えられる隔壁を認めた。一旦右眼矯正(0.5)まで視力低下したが、全身管理にて経過観察を行ったところ、徐々に網膜剥離は軽快し黄白色斑も減少した。視力も改善し3月12日には視力右眼矯正(1.0)、左眼矯正(1.2)となり、OCT上でも網膜剥離は消失した。
【考察】PIHで分娩後に網膜剥離を発症し、OCTで網膜剥離およびフィブリン様の隔壁が観察された1例を経験した。OCTは侵襲が少なく経過観察に有用であると思われた。分娩後にもPIHは網膜剥離を発症することがあり、注意を要する。