タニガワ ノボル   TANIGAWA NOBORU
  谷川 昇
   所属   関西医科大学  放射線科学講座
   職種   教授
言語種別 日本語
発表タイトル Fusion imaging による肝癌局所治療の治療マージン評価の試み
会議名 第47回日本肝癌研究会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎井口亮輔, 関 寿人, 池田耕造, 川村梨那子, 吉田繭, 宮本早知, 松本泰司, 津久田諭, 岡崎和一, 米虫敦, 大村直人, 前原稔, 谷川 昇, 澤田敏
発表年月日 2011/07
開催地
(都市, 国名)
静岡
概要 目的:肝細胞癌の各種局所治療(PEIT, PMCT,PRFA)の効果判定として、治療前後の
2次元造影画像(axial, coronal, sagittal)を用い、治療マージンの有無で治療評価を行っているのが現状である。しかし、2次元画像を見比べてのマージン評価は不正確となる場合がある。特に術前にLipiodolが投与されていない、あるいはLipiodol集積が腫瘍全体に認めらない場合はその評価が困難であることが多い。かかる状況で、我々は治療前後のDynamic CT画像を三次元画像(3D像)としFusionさせることで、局所治療効果判定が容易におこなえるか否かの検討を行った。
方法・対象:肝細胞癌局所治療前と後(治療4-5日後)に2mmスライスにて通常通りDynamic CTを撮像。3D work station としてAZE VirtualPLace Lexus 64 を使用し、腫瘍部、凝固部の作成には主にDynamic CT門脈相を用い3D像でFusionさせた。画像解析ソフトの自動位置合わせ機能を用い、両画像間に生じる位置のずれを3次元的に補正, 両画像の肝臓輪郭、治療前データで腫瘍を、治療後データで焼灼部分を抽出し、それらを重ねて表示し、Lipiodolが均一に腫瘍部に集積している症例ではLipiodolCTの画像を用いて3D像を構築した。対象は、腫瘍径2cm以下、10症例、11結節(PRFA 9結節、PMCT2結節)。
成績すべての結節において3DでのFusion像の作成は可能であった。腫瘍部と凝固部をそれぞれ色分けし、凝固部を通して腫瘍部が透見できるFusion像が得られ、随意の方向から、治療マージンの評価は可能であった(動画として提示可能)。
考案Lipiodol集積のある結節にくらべ集積のない例ではFusion像の作成に若干の時間が必要であったが、治療効果判定において差はなかった。ただFusion像を作成する上で、問題となるのはCT撮影時の呼吸停止の状況が治療前後で異なるため、肝臓全体の形態が若干異なる場合があり、この差異の補正が今後の課題と思われるが、現在“変形統合“を用い肝臓の歪みを補正する試みを行っている。
結語Fusion imagingを用い、局所治療前後でのCT像を3D上で重ね合わせることにより治療マージンの判定が容易となる。